奈良京都研修旅行2日目、眺望豊かなホテルの窓から見える日の出を楽しみに待つ生徒がいました。普段の学校ではなかなか表に出ない生徒の姿を宿泊を通して垣間見ることができます。朝食後、お世話になったホテルの皆様に感謝の言葉を伝え、バスで奈良公園へと向かいました。
2日目は判別自主行動です。7、8人の班ごとに、自分たちで決めたコースを旅します。奈良公園をスタートし、途中東大寺近くの決められた場所で昼食をとりますが、午後は再び班ごとに行動し、夕方に京都のホテルに自分たちだけで到着します。
午前中は奈良公園の鹿とのふれあいを楽しみにしていた生徒が多く、そこから東大寺、興福寺、春日大社等、各班の生徒の興味関心に従ってコースが分かれます。生徒たちはどのような体験をしたのでしょうか。
「鹿になめられてびしょぬれです(笑)」「東大寺の二月堂からの眺めはすごかったです!」「春日大社の参道はとても長く、鹿の糞がとても多かったです。」私たちと同様に修学旅行中の学生も数多く訪れていました。「東大寺の大仏殿では、他校のガイドさんの解説が聞こえてきました。それによると大仏の背後の小さな仏様は下から見たときに同じ大きさに見えるように作られているそうです。」
今回の研修旅行実行委員長Iさんは奈良育ちです。「クラスメイトや学年の友人たちが奈良を楽しんでいる姿を見ることができてうれしかったです。」
午後は、京都のホテルを共通のゴールとしますが、コースに各班の特徴がよく出ます。
東映太秦映画村を訪れた生徒:「時代劇の風景と現代のアニメが一緒にあってビックリしました!まるで過去と未来を行き来しているようでした。」
伏見稲荷大社を訪れた生徒:「もっと奥まで行きたかったのですが、班員が疲れてしまったので行くことができませんでした…」
京都国際漫画ミュージアムを訪れた生徒:「漫画の製本の仕方なども学べて興味深かったです。」
夕食後、1日目は座禅体験を行いましたが、この日は大江能楽堂で能・狂言を鑑賞しました。狂言「附子(ぶす)」は、わかりやすく親しみやすいお話で、ほとんどの生徒にとって初めての狂言鑑賞でしたが、能楽師さんの笑いを誘うユーモアと深い表現に引きこまれました。続いて能の解説では、代表生徒が舞台に立たせていただきました。あとで能面をかぶった生徒に感想を聞くと、「視界がぼやけて、眼鏡を外したときのようでした!貴重な体験ができました。」と興奮して話してくれました。今回鑑賞した能の演目「敦盛」は、古典の授業で事前学習を行っていましたが、実際に目の前で演じられる謡や舞の迫力に、生徒たちはくぎ付けになりました。
「能と狂言は“緊張と緩和”なのです。」(能楽師さんの解説より)
日本の伝統的な文化の奥深さを実感できたすばらしい機会となりました。大江能楽堂の皆様、ありがとうございました。
研修旅行2日目も濃密な1日となりました。関わってくださった方々への感謝の気持ちを忘れずに、残り2日間の旅行を全力で楽しみます。
中学3年学年会