我校では 「水曜朝礼」 を行っています。
今年度は 「歴史ある校歌をもう一度見直そう」
ということで、今まで以上に力を入れて校歌を練習しています。
そして、中学3年B組担任の重富先生より 『第1回学年代表のお話』 がありました。
「ことばの力を信じる」
皆さんにお話をするという事が決まった時、何を話そうかと考えましたが、やはり私自身が経験して考えたこと、それを皆さんにお話して、皆さんも考えるきっかけになればと思うことをお話しようと思います。
先日、クリーニング店に行ってカッターシャツを出した時の事です。カッターを「ハンガー仕上げでお願いします」と行って出しました。ハンガー仕上げとはカッターを折りたたむ事なく、ハンガーにかけた状態で仕上げるやり方です。そして、割引券があったので渡しました。そうするとクリーニング店のおばさんが、その割引券を手に持って「これは立体ですよね」というのです。縦1センチ横5センチくらいの紙切れを持って、「これは立体ですよね」というのです。私は何の事か分かりませんでした。「立体」は厚みのある物のはずです。サービス券は紙切れで「立体」ではないはずです。私は何が何だか分からず考え込んでしまいました。本当の時間は4,5秒だったでしょうが、30秒くらいの感覚でした。ですがどうしても分からなかったので「すみません、立体って何の事でしょう。分かりません」と言いました。するとおばさんは、どうして私の言いたい事がわからないのよ、とばかりにとても不機嫌そうな顔になりました。その怒ったおばさんの顔を見て、私もとても不愉快な気分になりました。その後のやりとりで、おばさんの言う「立体」とは「立体仕上げ」の事で、「立体仕上げ」とはきちんと折りたたんだ仕上げの事だと分かりました。しかし、そんな事は全然知らない事でした。少なくともおばさんが「これは立体仕上げのサービス券ですよね」と言ってくれれば、全然違ったはずです。ですが、おばさんの言葉はあまりにも情報が不足していて、互いが不愉快な気分になってしまったのです。
考えてみるとこのような情報不足の言葉によって、トラブルが発生することは身近に多いと思います。皆さんも同様な経験をした事はないでしょうか。あの時こう言っておけば誤解を生むことはなかったのにとか、どうしてうまくいえないのだろうとストレスを感じた事はありませんか。
もっと突き詰めて考えてみると、生活のトラブルは「言葉」に関係することがとても多いのではないでしょうか。言葉遣いが悪かったため友達とけんかになってしまった。さらに言うつもりは無かったけれど悪口を言ってしまった。逆に悪口を言われてとても傷ついてしまった。まわりに悪口が多いという事はありませんか。皆さん見てください、悪口を言っている人の顔つきを。悪口を言っている人の顔はとても醜いものです。
ではどうしたらいいのかという事ですが、やはり悪口をいわない、言葉遣いを丁寧にしようという事です。特に、今までに悪口で人を傷つけた、または傷つけられたという自覚のある人が率先してやってほしいと思います。そして、それを身近な所からやっていきましょう。そうしてそういう輪を大きく広げていきませんか。そうしていけば一人の喜びを皆で分かちあえるようになるだろうし、一人の苦しみを皆で共有できるようになるだろうと思うからです。そんな人間関係を作っていきませんか。
私は、それはできると信じていますし、皆さんならできると信じています。悪口をいわない、言葉遣いを丁寧にしようという事を、これからも繰り返し言うと思います。それは、なぜなら私は言葉の力というものを信じていますし、皆さんなら必ずできると信じているからです。
本当に熱心に聞いてくれて有り難うございました。