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水曜朝礼(5/11)

DATE : 2011/8/3

5/11の「水曜朝礼」では
武市先生よりお話がありました。

“体の声を聞こう”

今日私は皆さんに生理学的な女性の体について話をしようと思います。
男性の先生方にはお聞き苦しい所もあるかと思いますので、先にお詫びします。
一般的には、女性は男性よりも体温が低く,子供よりも大人のほうが体温は低くなります。だから男性や小さい子の冷え症というのをあまり聞いたことがないように冷え症は、圧倒的に女性に多いのです。
余談ですが、満員電車で男性が傍にいると,女性の場合、気分的に暑く感じるのではなく,本当に暑いのです。だから男性のそばにいると冬は良いのですが,夏は最悪となります。
今年の夏は電力消費量を抑えるために,電車の冷房温度を上げるところが多いようなので、夏の暑い時には男性のそばに乗らないことをお勧めします。
話は変わりますが、女性は体を冷やさないほうが良いということは,ほとんどの人が知っていると思います。そして,ストレスをためるとよくないということも、知っていますよね?
でもなぜ,体を冷やすとよくないか,ストレスがたまるとよくないか、わかりますか?
人間はストレスを感じると、体は戦う姿勢に入ります。目に見える反応としては、歯を食いしばり、目を見開いて、呼吸は浅く早くなり、手もぎゅっと握ってしまいます。
一方、体の中では全身を巡っている血液を脳に集めるために、手足の血管がギュッとしまって血液循環が悪くなります。
また冷えも、体温を逃がさないようにするために全身が縮こまり、血管も細くなるので血液循環が悪くなります。
女性はもともと体温が低いので、冷えやストレスで、より血液循環が悪くなりやすいのです。
血液循環が悪くなると、生きていくのに必要な順番で優先順位が付けられ、心臓・肺・肝臓・腎臓の順で血液が回り、そのあとに胃や腸、最後が子宮となります。
子宮や卵巣は、人間が生きるか死ぬかということには関係しないので、どうしても後回しになります。
昔よりも、子宮や卵巣といった婦人科の病気にかかる人の割合が多くなり、生理痛もひどい人が多いのは、ストレスや冷えが原因ともいわれています。
では体を冷やさないためには、どうすればいいかというと、外からと内からの方法があります。
まず外側から暖かくするのに一番手っ取り早いのは、お風呂です。湯船につからずシャワーだけという人も多いようですが、湯船につかった時のほうが、シャワーだけよりも、汗がなかなか引かないと思います。つまりそれだけ温まり方が違うのです。
腰まででよいので、汗がたらっと流れるくらいまでお湯につかると、血の巡りは良くなります。湯船にどうしても入れないという人は洗面器やバケツに、手首や足首までお湯につけましょう。
また、体を動かすことも血の巡りを良くします。
それ以外では、タンクトップやキャミソールといった下着を着たり、ひざ掛けを使ったり、カイロや湯たんぽという、皆さんが普段の生活で実践していることになります。
これも余談ですが、なぜスカートが膝頭となっているかわかりますか?
救急法をやった人はわかると思いますが、体温が逃げやすいのは、首・脇・ソケイ部という足の付け根・膝・足首です。
首や脇、ソケイ部は、洋服で守られ、足首も靴下に守られています。膝だけが出ているのです。
スカートが短いと、膝から体温がどんどん逃げていきます。だからスカートは、膝上でなく膝頭なのです。
では体の中から温めるには、どうすればいいかというと、食べ物や飲み物ということになります。
一番わかりやすいのは温度ですね。
暖かいスープや鍋焼きうどんなどの熱いものは体が温まりますが、かき氷や冷たい飲み物では体も冷たくなります。
温度のほかには、生姜やネギは体を温めるということを聞いたことがあると思います。
私達が食べたり飲んだりする物によっても、体温が変わります。いくつか例を挙げると、
米は体を温めますが、小麦は冷やします。だから朝起きたときは体温が低いので、パンや麺類よりもご飯のほうが、体が温まって活動しやすいのです。
そのほかには、生野菜や夏の果物は体を冷やします。飲み物では麦茶やコーヒーは体を冷やし、紅茶やウーロン茶は体を温めます。
このほかにもいろいろありますので、興味のある人は、自分で調べてみてください。
「食物繊維が体にいいから生野菜のサラダを食べる」のではなく、「今日は体が冷えているから暖かいものを食べたい」というような体の声を聞いてほしいと思います。
そのためには、この頭痛は、昨日の睡眠不足のせいかなとか、この腹痛は、きのう便が緩かったからかなとか、自分で自分の体のことを知るということが健康につながると、私は考えています。
教科として体を知ることも大切ですが、生きた対象として体を知ると、へえっと思うことがたくさんあります。
是非、体のいろいろなことに興味を持ってください。
これで私の話を終わります。